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磐梯山ジオパーク

 磐梯山ジオパークは、福島県のほぼ中央部にあり、東北地方の脊梁をなす奥羽山脈の一火山である磐梯山を中心とした地域にあります。その周辺には標高400m~800mの高原地帯が広がり、地域の中心に標高1816mの磐梯山がそびえ、南側に猪苗代湖、東側に川桁断層崖と安達太良連峰、北側は標高2000mを超える吾妻連峰で囲まれ、西側には、雄国沼湿原をもつ猫魔火山のカルデラがあり、大地の生い立ちと豊かな自然、そこに暮らす人々と大地の関わりがよく分かるジオパークです。

 磐梯山ジオパークでは、磐梯火山の誕生と変遷、特に水蒸気爆発による山体崩壊と岩なだれがもたらした大規模な地形を見られること、磐梯山が人々の生活や歴史に与えた影響およびそこで形成された独自の文化について分かりやすく紹介するために、テーマを持った73のジオサイト(見どころ)を設定しています。

 合わせて、磐梯山や猪苗代湖の周りには旧石器時代からの遺跡がたくさんあり、慧日寺を始め、磐梯山を中心とした信仰の史跡が豊富で、この地域の人々の歴史・生活・文化に計り知れない影響を与え、磐梯山は歴史と文化を育んだ山であり、南側の猪苗代湖畔には、旧石器時代や縄文時代の人々の生活を示すたくさんの遺跡があり、南西麓には、平安時代初期に高僧徳一によって慧日寺が開かれ、猪苗代町には古代に建てられた磐椅神社や会津藩初代藩主保科正之を祀っている土津神社など、磐梯山に関わる多くの文化遺産があります。

主な見どころ・おすすめジオサイト

中ノ湯

■磐梯火山
磐梯火山の主要山体と1888年の噴火で生じた壮大な馬蹄形カルデラ

 1888(明治21)年の噴火で生じた爆裂火口では、火山の内部構造、特に磐梯山を造っている火山角礫岩・溶岩の互層がよく見えます。山頂付近には、上の湯、中ノ湯と下の湯の3つの湯治場があったが、1888 年の噴火で壊滅した。現在廃墟となっている中ノ湯は、噴火後に南に移転して建てられたものです。

爆裂火口の中心部に銅沼(あかぬま)があります。沼の南側では今でも噴気が上がっており、活火山であることを実感できます。名前のとおり赤茶けているのは、鉄分を多く含んでいるためで、強酸性により魚は棲めません。1888 年の噴火により、磐梯山の北側は急峻な火口壁となり、1954(昭和29)年の大雨で斜面崩壊を起こして北側に崩れ、その堆積物が現在の裏磐梯スキー場の大部分を形造りました。噴火後の二次災害が与えためぐみです。

五色沼を代表する毘沙門沼

■裏磐梯湖沼群
岩なだれと堰き止めで生まれた300余りの湖沼の地質と自然

 1888(明治21)年の噴火では、小磐梯が北側に崩れて川を堰き止め、桧原湖・小野川湖・秋元湖・曽原湖などの湖と、五色沼を代表とする沼など300余りの湖沼が形成され、現在、磐梯朝日国立公園の中心地となっています。

この噴火による岩なだれは、数多くの小高い丘を作り出し流れ山と呼ばれるもので、磐梯山3Dワールドの裏の露頭で断面を観察することができます。

慧日寺金堂・中門

■磐梯火山南西麓
磐梯山信仰と結びついた会津仏教発祥の地「慧日寺」寺院群と翁島岩なだれ地形

 猫魔火山の南側に位置するこのエリアでは、JR 磐梯町駅南方の鉄道沿線に、風化の進んだ安山岩の火山岩塊が散在しており、磐梯火山の爆発により生じた岩なだれが運んだものです。

このエリアには、平安時代の初期に徳一によって開創され、様々な文物の将来を通して、会津仏教文化の礎を築いた慧日寺があります。また、磐梯山の修験道は慧日寺を基点に、更科不動滝を通る東道と、猫魔ヶ岳を通る西道の二つのルートがあります。

翁島岩なだれによる流れ山地形

■天鏡台
大パノラマ景勝地と磐梯火山の扇状地に立地する史跡群

 磐梯山麓の標高700mの高台に位置する天鏡台では、約3 万年前に噴出された溶岩により形成されており、後方には磐梯山主峰、前方には猪苗代湖や翁島なだれによる流れ山地形、遠く南会津、那須連峰を望む景勝地で、川桁断層による断層崖地形も見られます。

また、噴出したマグマが空中で冷え固まって生じたパン皮状火山弾が露出しています。そして、火山性の扇状地が分布する磐梯山南麓には、1589(天正17)年、芦名氏と伊達氏との合戦が行われた摺上原古戦場があり、この合戦での芦名家家臣の忠誠を後世に伝える三忠碑や、旧二本松街道の松並木も点在します。

保科正之公の墳墓

■猪苗代中央
磐梯山南麓にある神社・城跡などの歴史遺産と1888 年噴火の爪痕

 この山麓にある「見祢の大石」は、1888(明治21)年の噴火の際、安山岩の巨塊が岩なだれにのって運ばれたもので、国指定の天然記念物となっています。

磐椅神社は、和銅年間に創建されたものと伝えられる古社で、「延喜式神名帳」に記された「式内社」としても知られており、会津地方を代表する格式ある神社です。また、会津初代藩主保科正之公没後、1675(延宝3)年に創建された土津神社には、保科正之が祀られています。

神社、奥の院ともに会津藩主松平家墓所として国指定史跡です。ここの石碑、墳墓には磐梯火山や猫魔火山を形成する安山岩溶岩が使われています。また、磐梯火山の火山噴出物の末端部の高まりに築かれた平山城である猪苗代城は、中世にこの地を支配した猪苗代氏の代々の居城で亀ヶ城とも呼ばれ、幕末まで会津藩の東の要として残されたが、戊辰戦争により建物は焼失し現在は、お城山公園と呼ばれ町民の憩いの場となっています。


教育活動

■住民・小中学生等に対する教育活動

 地元、北塩原村立裏磐梯中学校では、磐梯山噴火記念館の学芸員により、噴火口のある銅沼で理科のフィールド授業を2002年から毎年行い、教室だけでは理解できない磐梯山という火山の営みを間近で見ることで理解が進めています。まず、裏磐梯スキー場から歩き始め、この場所が噴火で作られたことから解説をはじめ、スキー場のリフト終点では、北側を振り返り桧原湖などの湖沼を眺めながら、この湖沼が磐梯山の噴火で堰き止められてできたことを解説しています。

銅沼では磐梯山から立ち上る噴気を見せながら、活火山であることを理解させ、銅沼周辺では噴火時に被災したお坊さんの体験談を生徒たちに読ませて、噴火の臨場感を持たせるように行っています。

 北塩原村立裏磐梯小学校では、毎年5年生が磐梯山噴火記念館を見学し、学芸員から磐梯山の成り立ちや火山の特徴について学ばせながら、児童たちの磐梯山に関する質問に答えながら、噴火は恐ろしい現象だが、その噴火によって美しい湖沼群が作られ、今では多くの観光客でにぎわっていることを解説しています。

出前授業(裏磐梯中学校)

公開講座(磐梯町)

出前講座(猪苗代町)

出前授業(裏磐梯中学校)
公開講座(磐梯町)
出前講座(猪苗代町)

ガイド養成

■ジオパークを支えるガイド

 本地域は磐梯朝日国立公園内に位置することから、20年以上前からフィールドを案内するガイド活動を行ってきた。北塩原村では2000年頃からエコツーリズムに取り組んでいます。

2005年からは、ガイドのレベルを高めるための養成講座を開始し、最初の養成講座は「磐梯山の噴火が国立公園を作った」というテーマで、1888 年の噴火では500人近い人が犠牲となったが、その噴火のおかげで美しい景観が作られたことを学び、それ以降、火山をテーマにした養成講座を毎年開催しています。

2010年からは当協議会の発足に伴い、裏磐梯エコツーリズム協会と当協議会の共催で開催し、このガイド養成講座は福島県認定の「福島県ツーリズムガイド」養成講座の一翼を担い、県内の他の地域からもガイドを受け入れてきました。以前はこの地域の動植物だけを案内していたガイドが、磐梯山の噴火の話を最初にし、次に火山との関係で様々な自然や歴史が作られたことを話せるようになり、現在は3つの養成講座(火山地質・動植物・歴史)を行っているが、今後は初級と中級にレベルを分けたものへ移行していきたい。

屋内講座の様子

屋内講座の様子

 

野外講座の様子

野外講座の様子

ジオツアー

■一般市民を対象としたジオツアー

 本地域のジオサイトは、磐梯山の成り立ちや火山活動に関するサイトのみならず、1888年の磐梯山噴火以降123年余りにわたる植物相の変遷、さらに信仰の対象となった磐梯山の文化や歴史を示すサイトも多数ある。本地域のジオツアーは、各サイトを単独で紹介するものではなく、地形・地質や動植物をもとにした自然素材と、文化・歴史素材とを有機的につなげたストーリー性を重視しています。

地質的背景から始まるジオツアー

動植物的背景から始まるジオツアー

文化・歴史的背景から始まるジオツアー

地質的背景から始まる
ジオツアー
動植物的背景から始まる
ジオツアー
文化・歴史的背景から始まる
ジオツアー

保全活動

■自然保護の取り組み

植生復元モニタリング調査の様子

 本地域は、1950(昭和25)年に磐梯朝日国立公園に指定されている。そのため、自然公園法に基づき保護されている。この国立公園の中心地でもあるため、環境省の出先機関である裏磐梯自然保護官事務所が置かれている。五色沼周辺をはじめ、国立公園特別保護地区も多数存在し、より保全には力を入れている。

植生復元モニタリング調査の様子


拠点施設

■裏磐梯ビジターセンター

〒969-2701 福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字剣ヶ峯1093-697

TEL 0241-32-2850 FAX 0241-32-2851

URL http://www.urabandai-vc.jp/

磐梯朝日国立公園の自然をわかりやすく展示し、自然に興味を持ってもらうための施設。 出発前の情報収集、歩き終わった後の休憩や疑問解決等にぜひ気軽にお立ち寄りください。

磐梯山噴火記念館

■磐梯山噴火記念館

〒969-2701 福島県耶麻郡北塩原村桧原字剣ヶ峰1093-36

TEL 0241-32-2888 Fax 0241-32-3281

URL:http://www.bandaimuse.jp/

磐梯山の噴火100年を記念して、1988(昭和63)年に作られた火山の博物館。1888(明治21)年の噴火の様子を大型模型と大型映像で再現。当時の火山研究の成果や多くの噴火写真を展示。

子どもたち向けには、磐梯山地方の民話を紙芝居風に紹介。日本や世界の火山を紹介し、世界で初めて作られた地震計の模型も展示。

野口英世記念館

■野口英世記念館

〒969-3284 福島県耶麻郡猪苗代町大字三ツ和字前田81(三城潟)

TEL 0242-65-2319 Fax 0242-65-2500

URL:http://www.noguchihideyo.or.jp/

野口英世博士の業績を広く世に伝えるために設立された記念館。ここでは、敷地内に当時のまま保存された博士の生家や、遺品、手紙などが展示されている。

磐梯山恵日寺資料館

■磐梯山恵日寺資料館

〒969-3301 福島県耶麻郡磐梯町大字磐梯字寺西38 番地

TEL 0242-73-3000 Fax0242-73-3480

慧日寺関連の文化財の散逸・破壊を防ぎ、その保存と公開・活用を目的として1987(昭和62)年に開館した。

国指定史跡の「慧日寺跡」に隣接して建設され、史跡来訪者のガイダンス施設としての機能も兼ね備えている。

館内は、慧日寺の歴史・慧日寺と山岳信仰・慧日寺の文化財・慧日寺の年中行事の4つのテーマに分けてそれぞれ展示解説を行っているほか、映像資料による慧日寺の紹介も行っている。

シンボルマークやマスコットキャラクター

■シンボルマークおよびキャラクターの決定

 磐梯山ジオパーク協議会では、磐梯山周辺の地形、自然・景観及び歴史・文化を連想させるシンボルマークを制作し、広く磐梯山ジオパークをPRする目的で、平成22年10月11 日から平成22年12月10日までの2カ月間広く募集を行い、延べ61 点(27 名)の応募総数の中から、「磐梯山ジオパーク協議会シンボルマーク選考委員会」による厳正なる審査の結果、最優秀賞(1点)と優秀賞(2点)を選考し、最優秀作品をシンボルマークに決定しました。

シンボルマーク

シンボルマーク

 

アシナガ テナガ

キャラクター

ジオ関連商品

■ジオパーク関連商品

 磐梯山ジオパーク認定記念としまして、缶バッチを1,000 個製作し、関係者及び一般住民に配布。
また、ポロシャツも製作され、これを着て普及活動に努めながら今後は販売する予定。
会津短期大学とコラボレーションしながら、ジオの恵みを使った食べ物の考案を進めています。

缶バッチ

缶バッチ

 

ポロシャツ

ポロシャツ

看板、解説版

■計画的な解説板の整備

解説板

 

 ジオパーク以前より主なジオサイトに既に案内板は整備されている。これらの案内板の多くは日本語のみの表記のもので、詳しい解説の入った看板が少ないので、ジオパークの推進活動を始めた昨年度から英語表記を併設した解説看板を6基設置し、毎年数台主なジオサイトに解説看板を設置する予定である。

その他特記すべき事項

■第12回地震火山こどもサマースクール磐梯山のお宝さがし(平成23年度事業)

地震火山こどもサマースクール

 

 毎年、全国各地で開催されている「地震火山こどもサマースクール」は今年12回を迎え、8月6日、7日の1泊2日で、当磐梯山地域で開催されました。

場所は国立磐梯青少年交流の家を主な活動拠点として、1日目は猪苗代町の天鏡台及びリゾートスキー場、2日目は裏磐梯の銅沼及び五色沼などの現地見学を行いました。

 2日間をかけ、地元の小学生から遠くは兵庫県神戸市の高校生までの合計21名が参加をし、地震や火山及び地質の第一線の研究者らと、ゲーム形式を交えた野外観察や身近な材料を使った実験を行いながら、磐梯山の地形や大地のしくみを実感し、地域の人たちの生活を知り、防災への備えについても理解を深めました。また、2日目では、一般住民を対象とした公開フォーラムが猪苗代町役場正庁で開催され、子どもたちの2日間の成果をグループごとに発表しました。

基本情報

地域名:磐梯山ジオパーク

団体名:磐梯山ジオパーク協議会

代表者名:会長 小椋 敏一

構成自治体名:猪苗代町、磐梯町、北塩原村(2町1村)

推進組織体制

ジオパーク活動母体:磐梯山ジオパーク協議会

(構成団体)
 猪苗代町、磐梯町、北塩原村、会津森林管理署、福島県会津地方振興局、福島県企画調整課、猪苗代商工会長、磐梯町商工会、北塩原村商工会、猪苗代観光協会、磐梯町観光協会、裏磐梯観光協会、福島県立博物館、野口英世記念館、磐梯山噴火記念館、いなわしろ伝保人会、猪苗代山岳会、裏磐梯エコツーリズム協会、オブザーバーで環境省裏磐梯自然保護官事務所、福島県喜多方建設事務所の20団体で構成

運営部会等:3部会

<調査研究部会>

 各施設の学識経験者や行政団体から構成。ジオサイトの発掘・調査・地域の宝探し、ジオサイトの価値付け、パンフレットなど内容の監修を実地。

<教育普及部会>

 4つの民間団体から構成。ガイド養成事業、認定ガイド基準の策定、出前講座の開催を実施。

<広報啓発部会>

 3つの商工会と3つの観光協会および振興局ら7団体から構成。パンフレット、ガイドブック、ジオキャラ、特産品等の作成を実施。

問合せ先

■磐梯山ジオパーク協議会事務局

〒969-2701 福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字剣ヶ峯1093-732

(北塩原村自然環境活用センター内)

TEL 0241-32-2927

■北塩原村役場商工観光課

〒969-2701 福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字剣ヶ峯1093

TEL 0241-32-2511

■公式ウェブサイト

磐梯山ジオパークHP: http://bandaisan-geo.com/