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隠岐ジオパーク

隠岐ジオパークの位置

 隠岐ジオパークは、島根半島の北40km~80kmの日本海に点在する4つの有人島と180余りの無人島からからなる隠岐諸島全域を指します。

 隠岐ジオパークでは、隠岐諸島がユーラシア大陸の一部であった時代、湖の底の時代、海の底の時代を経て現在のような離島となった過程の地質現象を容易に観察することができ、日本海形成の痕跡を隠岐という小さな島で凝縮して体感できるのが大きな特徴です。

また、隠岐を代表する岩石でもある黒曜石の産地は国内でも70箇所ほど知られていますが、矢じりなどの石器として使用されたのは隠岐を含めて6箇所しかありませんでした。隠岐産の黒曜石が遙か3万年前から中国地方を中心として幅広く運ばれていたことは、隠岐産の黒曜石が良質であったため、古代の生活には欠かせない石であったことが想像されるとともに、その当時の盛んな人・文化交流の道も垣間見えてきます。

隠岐諸島(海岸)

隠岐ジオパークのもう一つの魅力として植物の多様性があります。隠岐諸島は、その島の成り立ちと対馬暖流の影響を受けることから、生物の北限の地でもあり南限の地でもあります。北方系、南方系、高山性、大陸系、氷河期時代の生き残りの植物が同じ場所に生息し、北方系のモミノキに南方系の植物であるナゴランが着生して自生するなど、他の地域では見られない特異な自然環境を観察することができます。
 隠岐ジオパークを知ることによって、日本列島の成り立ちや日本列島の植物分布の経過を推測することができ、更には黒曜石から始まる日本の歴史も推測することができます。

このように、大地営みと自然環境の関係、そして私たち人間との関係など、隠岐ジオパークを訪れる方々に興味をもっていただける資源が今なお豊富に残されています。

主な見どころ・おすすめジオサイト

■白島海岸・・・白い岩肌と不思議な植生分布

 隠岐島後の最北端に突出した白島崎の北方には、松島、沖ノ島、白島など多くの小島が点在しており、これらを総称して白島海岸と呼んでいます。昭和13年(1938)に国の名勝および天然記念物に指定された白島海岸は、約550万年前に噴出した流紋岩や粗面岩(アルカリ成分を多く含む中性の火山岩)で構成されていて、岩肌が白いことからその名前が付けられました。

展望台から望む白島海岸

展望台から望む白島海岸

 

像が鼻

像が鼻

 沖ノ島は、国指定天然記念物であるオオミズナギドリの繁殖地としても知られており、昭和38年(1963)に国立公園特別保護区に指定されています。
 白島海岸は、長い年月の風化や海食作用によって特異な風景美をつくりだしていて、巨像が鼻で海水を吸い上げているように見える「像が鼻」など、遊覧船からみる風景も楽しめます。

また、駐車場から白島海岸展望台に通じる遊歩道沿いでは、北方系の植物や南方系の植物が混在する状況や、11月頃まで色鮮やかに咲く紫陽花など不思議な自然環境を観察することもできます。

■トカゲ岩と屏風岩・・・鷲ヶ峰ハイキングコース

 隠岐島後の北東部に位置する葛尾山系では、巨大なトカゲが崖をよじ登っている姿に見えるトカゲ岩や切り立った崖が屏風のように見える屏風岩(びょうぶいわ)を観察することができます。

 トカゲ岩は、粗面岩マグマが流紋岩質火山砕屑に貫入したもので岩脈と呼ばれるものです。

 鷲ヶ峰からトカゲ岩の展望台にいたる自然散策路は、鷲ヶ峰ハイキングコースとして一般の観光客の方にも利用されています。

展望台から望む屏風岩

展望台から望む屏風岩

 

トカゲ岩
トカゲ岩

■国賀海岸・・・自然が創り出した雄大な海岸線

 国賀(くにが)海岸は、隠岐島前の西ノ島の北西に位置しており、約10kmにわたって海食崖や海食洞が連続し奇岩も数多く見られます。昭和13年(1938)に国の名勝および天然記念物に指定され、昭和38年(1963)には大山隠岐国立公園の特別保護区にも指定されています。

 国賀海岸の摩天(まてん)崖(がい)は粗面玄武岩~玄武岩質粗面安山岩の溶岩が何層にも積み重なったもので、長い年月の浸食や岩盤の崩落・崩壊が進み、高さ257mの雄大な景観を造りだしており、離島隠岐を代表する海岸線の風景となっています。

 また、摩天崖の南西の海岸部には多くの波食洞が連続して形成されています。通天橋はこの波食洞の奥の部分が崩落し、周辺が浸食されてできた特異な地形となっています。

国賀海岸を望む

国賀海岸を望む

 

通天橋を望む
通天橋を望む

■ローソク島・・・見る人を感動させる巨大なオブジェ

 島後の北西部、久見地区の西約2kmの海上には多くの小島が点在しています。中でもローソクの形をしたローソク島に夕日が灯る様子は圧巻です。周辺には天空にそそり立つ鉄砲岩やこんもりした馬背島などが独特の景観を醸し出しています。

ローソク島 馬背島 鉄砲岩

■福浦トンネル・・・人の生活と土木技術の推移が観察できる古道

 隠岐島後の北西部に位置する重栖(おもす)から福浦に至る海岸には、明治の初めにノミを使って手彫りで掘られたトンネルがあります。明治以前の福浦-重栖間の道は急峻な崖の中腹にあったため落石や転石の危険があり、明治の初めに海岸沿いの道が作られました。この道は波食棚を必要な幅だけ平坦に削って人が通れるように工夫されており、波食棚の発達が悪く難所となっている部分をトンネルとしたものです。しかしながら、この道は冬場の季節風が強い時には波で洗われて通行ができないため、明治34年に手彫りとダイナマイトを使って山側に1本の新しいトンネルが作られました。このトンネルには、灯り取りようの窓が何カ所か設けられています。さらに、昭和50年には大型車輌の通行を可能とするために、新しいトンネルの拡幅が行われました。

福浦トンネル

 

福浦トンネル

福浦トンネル

 一番海側のトンネルを「細(こま)トンネル」、灯り取りの窓があるトンネルを「窓トンネル」と呼び、拡幅されたトンネルを三番目と数え福浦の「三代トンネル」として親しまれています。

 また、これらのトンネルは、人の生活と土木技術の推移が関連付けられて見られることから、日本土木学会が選定する土木遺産にも選ばれており、約550万年前の火砕流の内部が観察される場所としても貴重なジオサイトとなっています。

■乳房杉と風穴・・・隠岐の自然環境を象徴する巨木

 隠岐島後の最高峰大満寺山(標高608m)の北側を走る林道南谷線沿いには、隠岐の自然環境を象徴する樹齢八百年といわれる乳房(ちち)(すぎ)がそびえ立っています。遙か古代からの山岳信仰・巨木信仰を今に伝える乳房(ちち)杉(すぎ)は、岩倉神社の御神木としても奉られており、その形とともに神秘的な雰囲気を醸し出しています。

 乳房杉の周辺は、「岩倉の風穴」と呼ばれる大満寺玄武岩の転石が積み重なってできた風穴となっており、転石の隙間からは冷たい風が吹き出していて夏には心地よい涼みの場所となっています。

 このような自然現象によって、乳房杉周辺にはイチイ、アオダモ、オニグルミ、サワグルミなど北方系や高山性植物などが分布しており、国指定天然記念物のヤマネなども生息しています。

岩倉神社の御神木「乳房杉」

岩倉神社の御神木「乳房杉」

 

岩倉の風穴

岩倉の風穴


教育活動

■小中学生に対する教育活動

 隠岐島内の小中学校では、総合学習の時間と連携し隠岐ジオパーク学習会を開催しています。学習会の内容としては、隠岐ジオパークの魅力についての室内講座を開催したあと、実際にそれぞれのジオサイトを巡りながら地質現象や特異な植物分布などについての学習を行っています。

小学校でのジオパーク学習会

小学校でのジオパーク学習会

 

中学校でのジオパーク学習会

中学校でのジオパーク学習会

■住民に対する教育活動

 地域住民の方に、ジオパークとは何か?隠岐ジオパークの魅力を知っていただくために、自治会や公民館活動、各種団体の活動とも連携し、出前講座としてジオパーク学習会を積極的に開催しています。また、平成20年度からは、専門家の方を講師に招いたジオパークシンポジウムも開催しています。

ジオパークシンポジウム

ジオパークシンポジウム

 

公民館活動でのジオパーク学習会

公民館活動でのジオパーク学習会

ガイド養成

■ガイド養成講座の開催

 隠岐ジオパークでは、隠岐ならではの歴史・文化・自然環境を活かした観光地域づくりを目的としまして、平成16年度より隠岐学講座『風待ち海道エコツーリズム大学』を毎年開校しています。

 この講座には毎回20名以上の方が参加され、隠岐の歴史、地層・地質、動植物、海洋生物など隠岐の魅力を伝えるための幅広い知識や手法を学んでおり、平成20年度からは島根大学総合理工学部地球資源環境学科の協力を受け、より専門的なジオガイド養成にも取り組んでいます。

 また、この講座を受講された方の中からは、プロガイドとして活躍する人もいます。

ジオパークシンポジウム

ジオパークシンポジウム

 

公民館活動でのジオパーク学習会

公民館活動でのジオパーク学習会

■ガイドマニュアル、ガイドブック、ガイドマップ、ルールブック、ナビシステム

 隠岐ジオパークでは、ガイド養成のための様々なアイテムづくりにも取り組んでいます。

エコツーリズムガイドマニュアル、OKIまるごとミュージアムブック

1.エコツーリズムガイドマニュアル

 隠岐の歴史、文化、自然環境、動植物、海洋生物にわたるまでの幅広い解説とともに、ガイドとしての心構えや、ツアーに参加する方の健康状況チェックシート、ヒアリングシートなどを1冊にまとめたものです。

2.OKIまるごとミュージアムブック

 隠岐の歴史、文化、自然環境、動植物、海洋生物までを1冊にまとめたガイドブックです。

隠岐の自然を守るための参考書、OKIまるごとミュージアムマップ(日本語・英語)

3.隠岐の自然を守るための参考書

 ガイドを行うために知っておかなければならない絶滅危惧種などのデータを掲載した冊子です。隠岐ジオパークでは、隠岐の地域資源情報を発信するためのガイドブックを作成する一方で、隠岐の自然を守るためのルールブックを作成し、保全と活用に取り組んでいます。

4.OKIまるごとミュージアムマップ(日本語・英語)

 ガイドブックで紹介した隠岐の歴史・文化・自然環境資源の位置情報を伝えるためのマップです。隠岐を訪れる方のニーズに合わせたツアープログラム作成にも役だっており、日本語と英語のマップがあります。


携帯端末を利用したナビシステムの開発

5.携帯端末を利用したナビシステムの開発

 隠岐を初めて訪れた方が不安なく周遊できるために、携帯端末を利用したナビシステムの開発にも取り組んでいます。時間、ジャンルなど毎にモデルコースを作成し、モデルコースを選択すると、地図上にモデルコースと現在の位置が表示され、それぞれの地域資源に近づくと自動的に資源の写真と解説が表示されるシステムとなっています。また、このシステムについては、SDカードを入れ替えるだけで英語での表示もでき、英語が不得意なガイドのお助けアイテムとしても活用されています。

ジオツアー

■隠岐ジオパークツアーの開催

住民を対象としたツアー

1.地域住民を対象とした隠岐ジオパークツアー

 隠岐ジオパークでは、平成16年度から一般市民を対象として、動植物の専門家と巡る「隠岐まるごとミュージアムツアー」を開催しており、平成20年度からは、地学の専門家と巡る隠岐ジオパークツアーとして開催しています。ツアーには毎回30名近い方が参加されています。

旅行会社によるジオパークツアー

2.旅行会社との提携による隠岐ジオパークツアーの販売

 平成21年度から、隠岐ジオツアーとして地元の旅行会社との提携によって旅行商品の販売を行っています。

 平成22年度秋からは、新たにイオングループの旅行代理店であるジャスベルとの提携によって、隠岐ジオパークツアーの商品販売を行う予定となっています。

外国人を対象としたツアー

3.外国人を対象とした隠岐ジオパークツアー

 平成21年度には、外国人から見た隠岐ジオパークの魅力を探るために、島根県および鳥取県内のALTを対象とした隠岐ジオパークツアーを開催いたしました。

 参加者からは、「旅行パンフレットにもない隠岐の魅力を知ることが出来た」「隠岐は非常に魅力的だ」という感想をいただいた反面、外国語による情報発信が少ないという指摘もありました。

保全活動

■地域・市民による環境保全

 各ジオサイトでは、それぞれの関係団体による除草やゴミ拾いなどが行われていますが、隠岐の固有種を守るために西洋タンポポの駆除やブラックバスの駆除など外来種に対する活動なども定期的に開催しています。

 また、隠岐諸島は離島であるため海岸の漂着ゴミ問題を抱えています。漂着ゴミの回収についても、行政と地域住民が協働で海岸環境の保全に取り組んでいます。平成22年度からは新たに海上保安庁の協力を得て、海洋の不法投棄を監視するために巡視船による沿岸域パトロールも実施しています。

西洋タンポポ駆除状況

西洋タンポポ駆除状況

 

ブラックバス駆除状況

ブラックバス駆除状況

海岸清掃状況

海岸清掃状況

 

巡視船によるパトロール

巡視船によるパトロール


拠点施設

■隠岐自然館

〒685-0013 島根県隠岐郡隠岐の島町中町目貫四54-3

TEL 08512-2-1583

E-mail info@dinosaur.pref.fukui.jp

 隠岐諸島の成り立ちを観察できる岩石展示、北方系、南方系、高山性、大陸系、氷河期時代の生き残りの植物が混在する不思議な生態系の解説や海洋生物の展示など、隠岐ジオパークの魅力をまるごと体験できる施設です。

隠岐自然館

 

隠岐自然館

隠岐自然館

 

隠岐自然館

シンボルマークやマスコットキャラクター

※準備中

ジオ関連商品

※準備中

看板、解説版

■計画的な案内看板・解説看板の整備

 ジオサイトまでの誘導標識および各ジオサイトの解説看板については、これまで日本語のみの表記であった既存看板の修正と新規看板の設置を計画しており、今後順次整備していく予定です。

 また、これら看板の整備については、国土交通省および島根県からの協力をいただいており、写真撮影スポットについての駐車スペース整備も行う予定です。

計画的な案内看板・解説看板の整備

計画的な案内看板・解説看板の整備

計画的な案内看板・解説看板の整備

その他特記すべき事項

島根県庁での記者会見

島根県庁での記者会見

■隠岐ジオパークWAONカードの発行

 大手流通グループイオンとの提携によって、電子マネー「隠岐ジオパークWAON」カードを発行。全国約50,000店舗の加盟店で利用可能でき、「隠岐ジオパークWAON」カードでの利用料の一部が隠岐ジオパーク推進協議会へ寄付され、世界ジオパーク認定を目指した活動に役立てられます。

基本情報

地域名:隠岐ジオパーク

団体名:隠岐ジオパーク推進協議会

代表者名:会長 隠岐の島町長 松田 和久

構成自治体名:隠岐の島町、西ノ島町、海士町、知夫村(3町1村)

推進組織体制

ジオパーク活動母体:隠岐ジオパーク推進協議会

(構成団体)

隠岐の島町、西ノ島町、海士町、知夫村、島根県隠岐支庁、隠岐の島町教育委員会、西ノ島町教育委員会、海士町教育委員会、知夫村教育委員会、島根県隠岐教育事務所、島根県議会議員、各町村議会、隠岐の島町商工会、西ノ島町商工会、隠岐國商工会、JA隠岐、島根県建設業協会隠岐支部、各町村観光協会、バス会社、タクシー会社、隠岐汽船、市民団体など37団体で構成

(アドバイザー)

島根大学総合理工学部地球資源環境学教室、日本地質学会ジオパーク推進委員会(高須晃委員)、 島根県地質学会、中国地質調査業協会島根支部、島根大学名誉教授 山内靖喜

問合せ先

■隠岐ジオパーク推進協議会事務局

〒685-8601 島根県隠岐郡隠岐の島町港町塩口24番地 島根県隠岐支庁県民局内

TEL 08512-2-9636

■隠岐観光協会

〒685-0013 島根県隠岐郡隠岐の島町中町目貫四54-3

TEL 08512-2-1577

■公式ウェブサイト

http://www.oki-geopark.jp/