- 見どころ・おすすめジオサイト
- ジオツアー
- 拠点施設
- その他
- 基本情報・概要
阿蘇ジオパーク
阿蘇ジオパークは、熊本県の北東部に位置する標高400~1,600mの高原地帯である。面積は1,079㎞2で、熊本県土面積の約15%を占めている。地域のほぼ中央に世界有数の阿蘇カルデラがあり、その中央には阿蘇五岳がそびえ立ち、周囲に外輪山をめぐらしている。本地域は、全て阿蘇カルデラの内側および外輪山の外側斜面に含まれる範囲にあり、地形上、海抜約600~1,600mのカルデラ内の火山群(阿蘇中央火口丘群)、約400~600mのカルデラ内の低地、約400~1,200mの阿蘇外輪山地域に区別される。
豊かな自然に恵まれた本地域は、熊本都市圏をはじめ、九州四県(熊本、福岡、大分、宮崎)の水源涵養域であり、白川、緑川、菊池川、筑後川、大野川、五ヶ瀬川の6水系が、阿蘇五岳および外輪山に源を発している。
阿蘇火山は、数十万年にわたる火山活動でつくり出された世界有数の巨大なカルデラや、多くの火山体で構成される火山群などの雄大かつ多様な火山地形・地質を特徴とする。阿蘇火山地域では、この大自然を舞台に有史以前から数万年以上にわたって人間の生活が繰り広げられ、特有の文化や景観が育まれてきた。阿蘇ジオパークには、カルデラおよび周辺地域を含む広大な地域が含まれ、様々な火山地形・地質を中心とする多くの観光スポットやジオサイトが存在する。本ジオパークにおけるテーマは、阿蘇火山の大地の成り立ち、並びにこの大地と人間生活との関わりに対する理解を深めることにある。
主な見どころ・おすすめジオサイト
■中岳火口
中岳火口は、阿蘇観光の中心地で、活動的な火口を見物できる数少ない場所の一つである。中岳火口では、最近1,000年間は火山灰の噴出を中心とし、活動期にはマグマ水蒸気爆発やストロンボリ式噴火、静かなときには噴気活動と火口内に湯だまりを形成する活動が繰り返されてきた。
■米塚
約2千年前に形成された典型的なスコリア丘で、国内では最も均整のとれたものの一つ。基底直径は約380m、比高は約80m。米塚を形成した一連の噴火活動で大量の玄武岩溶岩も流出し、米塚の北~西側一帯に広く堆積した。近年、登山によって荒らされた斜面が修復されたが、現在では登山禁止となっている。
■遊水峡
阿蘇カルデラ北方の小河川にみられる岩盤河床で、阿蘇火砕流堆積物の溶結凝灰岩で構成される。砂礫などの河床堆積物を欠き、全体として平滑な岩盤の河床が数100m以上の区間にわたって発達する。平水時の水深は数10cm程度で、夏期には絶好の親水行楽地として賑わう。河床や河谷壁ではユータキシチック構造を示す溶結凝灰岩の特徴を観察できる。
■阿蘇神社
阿蘇市一の宮町宮地に鎮座。一宮健磐龍命(たけいわたつのみこと)を筆頭に、阿蘇十二神が祀られている。全国に500社以上の奉祭社をもち、現宮司が91代目。今に伝わる神事は「阿蘇の農耕祭事」として国の重要無形民俗文化財に指定。一の神殿・二の神殿・三の神殿・楼門・神幸門・還御門の6棟は国の重要文化財。また、楼門は日本三大楼門の一つに数えられる。阿蘇山上広場にも「阿蘇山上神社」が存在する。
■草原景観
阿蘇地域を代表する景観である。火山灰土壌を有効に活用するために、阿蘇の人々が古くから火山との共存をしてきた結果として作られた半自然の景観である。牛馬の放牧、野焼き、採草などを繰り返してきた結果、このような景観が維持されてきた。
教育活動
■住民・小中学生等に対する教育活動
ジオパーク活動に関連した教育普及活動は様々な機関によって実施されている。そのうち、(財)阿蘇火山博物館においては、「目指せ一流!我ら阿蘇の研究者」事業が2006年以来毎年継続して実施されている。これは、博物館学芸員が阿蘇地域の小学校に出向き、子どもたちの自主的な研究活動を支援するものである。研究テーマは、それぞれの学校周辺のジオ素材を取り上げ、子どもたちが疑問に感じた事柄について調べ学習を進める。年度末にはそれぞれの研究結果を、シンポジウムの場をとおして発表する。博物館学芸員はあくまで方向性を示し、学習の支援にあたるのみで、子どもたちの自発的な研究が毎年すばらしい結果を生み出している。
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「目指せ一流!我ら阿蘇の研究者」事業 |
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また、環境省が主体となって設立された「阿蘇草原再生協議会」では、地元の牧野農家や博物館などの社会教育施設が集まって「草原環境学習小委員会」を設置し、阿蘇地域の草原の維持や環境学習を進めるため、「阿蘇・草原キッズプロジェクト」を推進している。このプロジェクトは5ケ年計画として、最終的には阿蘇地域の小中学校に、阿蘇の自然や草原についての学習をカリキュラム化してもらうことを目指している。阿蘇地域の重要なジオ素材の一つである「草原景観」を維持し、またそのための担い手を育てることを大きな目標としている。
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阿蘇・草原キッズプロジェクト |
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ガイド養成
■ジオパークを支えるガイド
NPO法人阿蘇ミュージアムでは、平成18年(2006年)から「阿蘇インタープリター養成講座」を実施している。これまでに受講者は約70名、うち阿蘇インタープリター認定者は50名である。現在、阿蘇インタープリターは、NPO法人阿蘇ミュージアムが実施するジオツアーをはじめ、財団法人阿蘇火山博物館や他の団体が実施するジオツアーの案内人として大きな役割を果たしている。インタープリター自身も継続的にスキルアップのための自主研修学習を行っており、阿蘇全体としてのガイドのレベルアップに貢献している。
また、財団法人阿蘇地域振興デザインセンターでは、「案内人のための外国語講座」の開講や「誰もがちょっと会話本」の発行、インターネット通訳システムの構築、ガイドブックおよびガイドマップの多言語化など、多言語による外国人客もてなしの向上を推進している。そのほか、平成21年(2009年)4月に設立された「阿蘇エコツーリズム協会」においても「ガイド養成講座」が計画されており、今後の阿蘇における高品質なガイドの育成に大きく寄与していくものと考えられる。
インターネット通訳システム |
ガイドブックおよびガイドマップの多言語化 |
ジオツアー
■多彩なジオツアーの催行
阿蘇自然案内人協会(事務局:財団法人阿蘇地域振興デザインセンター)が主催するジオツアーは、「阿蘇中央火口丘トレッキングコース(仙酔峡~中岳~高岳~砂千里ヶ浜)」、「北外輪の草原と渓流トレッキングコース(押戸ノ石~マゼノ渓谷)」、「南外輪のブナや巨木の原生林トレッキングコース(地蔵峠~大矢野岳~駒返峠)」という阿蘇の代表的な3コースが設定され、それぞれ案内人協会に所属するガイドが中身の濃い解説をしながら案内している。
阿蘇中央火口丘ジオツアーの様子(阿蘇市) |
北外輪渓流ジオツアーの様子(南小国町) 南外輪原生林ジオツアーの様子(南阿蘇村) |
財団法人阿蘇火山博物館では、博物館周辺のフィールドを中心に「中岳~砂千里ヶ浜~古坊中コース」、「杵島岳コース」、「草千里ヶ浜コース」を設定し、それぞれのエリアで観察できる火山地形や地質を中心に草原の成り立ちなども含めて、博物館学芸員や阿蘇インタープリターが案内する。また、併せて博物館内の見学解説も行う。対象は、修学旅行や社会見学など学校・団体および一般の観光客が中心で、年間約7,000名の子どもたちや一般客が参加している。
NPO法人阿蘇ミュージアムは、阿蘇山頂部(中岳、杵島岳、草千里ヶ浜など)のほか、阿蘇カルデラ南部(南郷谷)を主なフィールドとして、「阿蘇んもんツーリズム」(阿蘇の自然や文化をテーマとし、実際に阿蘇で様々な仕事をしている人に直接案内してもらう)を実施している。修学旅行生が中心で、年間約2,000名の利用があり、阿蘇インタープリターが子どもたちと本地域の人たちとの仲介をし、世話役になっている。
保全活動
■環境共生基金活動
阿蘇には、「火の国」熊本のシンボル的な存在として親しまれている阿蘇五岳を中心とする世界最大級のカルデラ、日本一の規模を誇る広大な草原など、世界に類のない雄大な自然景観、“九州の水がめ”と言われる阿蘇の大地が育む豊かな水、阿蘇特有の希少な動植物が生息・自生するなど豊富な自然資源を有しています。これらは、この地に暮らす住民はもとより国民共有の財産として今後守り育てていく必要があります。
拠点施設
■財団法人阿蘇火山博物館
〒869-2232 熊本県阿蘇市赤水1930-1
TEL 0967-34-2111
ウェブサイト:http://www.asomuse.jp/
「阿蘇火山」を主テーマとし、阿蘇の地形や地質、動植物などについて展示。また、火山と人々の暮らしとの関わりについても取り扱う。学芸員や阿蘇インタープリターによる館内案内(ミュージアムツアー)やフィールド学習(ジオツアー)にも力を入れ、阿蘇周辺地域の子供たちや修学旅行生、観光客へもそのようなプログラムを提供している。
■NPO法人ASO田園空間博物館
〒869-2225 熊本県阿蘇市黒川1440-1
ウェブサイト:http://aso-denku.jp/
阿蘇市全域を博物館とするエコミュージアム。人・もの・くらしなど、阿蘇の宝を再発見し、個性を活かして物語をつくり、自然・歴史・伝統・文化を後世に伝える試みを続けている。
■南阿蘇ビジターセンター
〒869-1602 熊本県阿蘇郡高森町大字高森3219
ウェブサイト:http://www1.ocn.ne.jp/~aso-vc/
自然と人々の暮らしを紹介し、自然とのふれあいを楽しんでもらうために設置されている。阿蘇の多種多様な植物を、自然に近い形で観察できるよう整備した阿蘇野草園を併設する。係員が野草園を案内したり、観察会を実施するなど、活発な活動が行われている。
シンボルマークやマスコットキャラクター
■ロゴマークの活用
阿蘇ジオパーク専用ロゴマークは、平成17年度に策定された「阿蘇大陸」マーク(阿蘇広域観光マーク)を兼用し、一体的効果を図ることとしている。普及啓発用パンフレットなどに統一シンボルとして掲示し、阿蘇ジオパークのイメージ化定着を図っている。
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ジオ関連商品
■ジオパーク関連商品の開発
阿蘇地域は、比較的冷涼な気候と広大な農地、そして至るところから湧く美しい水で育てられる産品や、草原を活かした畜産による産品などを活用した様々な特産品がある。これら阿蘇の特産品を活用し、ジオパーク関連商品として開発に取り組まれている。
目的は、
1.阿蘇の世界ジオパーク認定を目指し、地域住民や全国へのPR商品として発信する。
2.100%阿蘇の特産品を使用することにより、「阿蘇の味」を広く伝える。
3.阿蘇ジオパーク・ミニブックを付随し、「阿蘇の大自然」への興味を持ってもらい、観光客の誘客につなげる。
4.阿蘇をイメージさせるお土産として幅広い活用に結びつける。
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看板、解説版
■計画的なサイン整備
阿蘇地域では、概ね各ジオサイトの案内板を整備してきている。これらの案内板の多くは、英語表記を併設しているが、最近では韓国語や中国語の整備も進みつつある。また、ジオサイトを紹介するガイドブックやガイドマップなど、主要なものは多言語化を施し、各案内所などに常時配置しており、ジオサイトを紹介するホームページの一部も多言語化している。さらには、阿蘇ジオパークを紹介するテレビ番組やラジオ番組を放送し、情報発信に努めている。
今後は、阿蘇ジオパーク・サイン計画を策定し、計画的なサイン整備に配慮していく。
その他特記すべき事項
■阿蘇カルデラツーリズム博覧会「阿蘇ゆるっと博」の開催
阿蘇ジオパーク推進協議会は、阿蘇ジオパークを基盤にした「スローな阿蘇づくり・阿蘇カルデラツーリズム」を推進し、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業を迎える平成23年(2011年)3月から1年間を会期とし、阿蘇カルデラツーリズムを阿蘇くじゅう地域9市町村で総合化した「阿蘇ゆるっと博」として発展させ、開催する。
その後も、滞在交流型の観光の仕組みを残し、阿蘇を起終点とする九州広域の観光行動が活発化するものと想定されるため、阿蘇ジオパークに課せられた本来の阿蘇の魅力を伝達していくことに力点を置いた取組みを推進する。阿蘇が旧来の観光リゾートの拠点としてではなく、火山・人・自然が織りなす阿蘇地域の価値が、以前にも増して高まるような姿こそ、阿蘇ジオパークの望ましい将来像といえる。

基本情報
地域名:阿蘇ジオパーク
団体名:阿蘇ジオパーク推進協議会
代表者名:会長 佐藤 義興
構成自治体名:阿蘇市、南小国町、小国町、産山村、高森町、南阿蘇村、西原村、山都町
推進組織体制
ジオパーク活動母体:阿蘇ジオパーク推進協議会
(構成団体)
地元自治体、目的に賛同し、活動及び事業に協力できる教育、研究、観光、環境の分野からなる団体で構成
問合せ先
■阿蘇ジオパーク推進室
〒869-2232 熊本県阿蘇市赤水1930-1 阿蘇火山博物館1階
TEL 0967-34-2089 FAX 0967-34-2090
■公式ウェブサイト
阿蘇地域振興デザインセンター:http://www.asodc.or.jp
阿蘇ジオパーク:http://aso-geopark.jp/






















