日本ジオパークネットワーク(JGN)とは
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苗場山麓ジオパーク

概要

苗場山麓ジオパークの位置

苗場山麓ジオパークは、奥信越と呼ばれる新潟県津南町・長野県栄村からなり日本有数の多雪地域です。私たちの祖先は、多雪という環境に適応して段丘に暮らし、豊かな湧水や動植物の恩恵を受け歴史を紡いできました。縄文の遺跡が多く発掘され、火焔型土器に代表される当時の暮らしを見ることができます。約1万年間森と生きた縄文の民に習い、自然と共生することを五感を通し体感しながら学ぶ場所、それが苗場山麓ジオパークです。

特徴

苗場山麓ジオパークの特徴は、地球規模の気候変動と中津川のはたらきによって、およそ40万年かけてつくられた日本有数の階段状の地形(河岸段丘)です。さらに、苗場山や鳥甲山の溶岩からなる、見る者を圧倒する柱状節理の岩壁や風穴、かつて海だった信濃川左岸の地層や地滑り地形など、大地の躍動を感じるジオサイトが多数あります。

そして苗場山麓では、毎年3~4mもの雪が降り積もります。大地の動きによる三国山地の形成と日本海へ暖流が流れ込むという2つの条件が合わさって、たくさんの雪が降るようになりました。そして、この「多雪」に適応した多様な動植物や、1万年間森と共生した縄文文化、現代へと続く雪国文化などの人々の暮らしが生きづいています。

本ジオパークでは、大地の履歴と「雪」、そこに生きづいた動植物、それらの恩恵を受けて暮らしつづけてきた人々の知恵や歴史を五感を通して学べることが大きな特徴です。

冬の河岸段丘 約5000年前の火焔型土器(沖ノ原遺跡)
冬の河岸段丘 約5000年前の火焔型土器(沖ノ原遺跡)

主な見どころ・おすすめジオサイト

■河岸段丘

 階段状の地形である河岸段丘は日本各地で見られますが、苗場山麓では、新旧何段もの段丘を一望することができます。

 河岸段丘は、地球規模の気候変動を背景に、大地の隆起と中津川のはたらきによって形成されました。段丘面には、かつての河原の砂や礫の層と、その上に遠方の火山から飛来した火山灰が降り積もっており、その火山灰を調べることで段丘の形成年代が分かります。一番古い段丘は、40数万年前に形成されたと推測され、この年代の段丘が残っているのは、日本でも貴重です。

 また各段丘からは、遺跡が数多く出土しており,大昔の人々の暮らしを考えることもできます。

河岸段丘を一望できる
河岸段丘を一望できる
河岸段丘(航空写真) マウンテンパーク津南展望台より
河岸段丘(航空写真) マウンテンパーク津南展望台より

■龍ヶ窪(日本名水百選)

 中津川左岸の段丘面、通称“沖ノ原台地”とその上にこんもりと広がっている苗場山の溶岩からなる台地の境には湧水が点在しています。その1つが「日本名水百選」の龍ヶ窪です。新潟県自然保護地域指定地区内に位置し、湧水量は、毎分18~30トン(2ℓのペットボトル9,000~15,000本・これは池の水が1日で入れ替わる量)です。その水年代は、およそ40年という値が出ています。龍ヶ窪などの湧水の近くからは縄文時代の遺跡が多く発見され湧水を基点にムラが営まれていたことを示しています。池畔には弁天様が祀られ、ブナやスギで覆われた佇まいは神秘的で、数々の龍神伝説が残っています。

神秘的な龍ヶ窪
神秘的な龍ヶ窪
龍ヶ窪の湧き出し口 おいしい水を誰でも飲むことができる
龍ヶ窪の湧き出し口 おいしい水を誰でも飲むことができる

■山伏山と風穴

 約220万年前から150万年前、陸化した関田山脈や中津川・志久見川上流部で起きた火山活動によって今の東頸城丘陵の山並みの頂部がつくられました。山伏山はその一つで、標高903mの釣鐘状の山です。この山体を構成する安山岩は魚沼層群に貫入したもので明瞭な柱状節理が見られます。裾野には風穴が点在しそれを利用した養蚕卵保管施設跡もあり、今も石組みが残されていて、岩隙から盛んに冷気が吹き出しています。また、山伏山の周辺には、かつて海だったことを示す二枚貝などの化石が堆積している地層を見ることができます。

蚕種貯蔵に利用された風穴 山伏山と薬師湖 二枚貝の化石
蚕種貯蔵に利用された風穴 山伏山と薬師湖 二枚貝の化石

■石落し

 この荒々しい柱状節理の発達した岩壁は、約30万年前に噴出した苗場山の溶岩です。この溶岩は中津川の両岸で見ることができ、上流側でかつてつながっていたことを示します。約30万年かけて中津川に浸食され現在のような峡谷となりました。雪どけの頃、雪崩とともに岩が音を立てて落ちることから「石落し」と呼ばれています。川がこの溶岩を刻んだ結果できた峡谷により、下流側の広い河岸段丘が発達する地域と、上流側の狭い谷盆地(秋山郷地域)に分けられました。この溶岩の下には、段丘礫層と魚沼層群と呼ばれる地層があり、溶岩の末端の段丘面上で湧水があります。

石落し
石落し
火山と川のちからに驚き 春夏秋冬いろいろな表情を見ることができる
火山と川のちからに驚き 春夏秋冬いろいろな表情を見ることができる

■穴藤の川原・古型マンモスの臼歯化石出土地

 穴藤(けっとう)の川原では、約115万年前に榛名山付近でおこった噴火の火山噴出物である上越火山灰(SK030)が見られます。この火山灰には、菫青石と呼ばれる珍しい鉱物が含まれています。

 この火山灰層より上の層から、古型マンモスの左顎臼歯化石が出土しました。古型マンモスは、マンモス(ケナガマンモス)の先祖にあたるとされ、日本には120万年前頃、中国大陸から渡ってきたと考えられていて、70万年前まで生息していたとされます。 古型マンモスの化石は、日本全国で27例しか発見されておらず、穴藤で発見された化石もとても貴重な資料です。

穴藤の川原
穴藤の川原
上越火山灰(SK030)の地層を観察 古型マンモスの臼歯化石
上越火山灰(SK030)の地層を観察 古型マンモスの臼歯化石
アクセス情報津南町役場より車で約15分

■結東の石垣田

 結東集落の北側には、全国農村景観百選にも選ばれている美しい石垣田が広がっています。この石垣田は、鳥甲山と苗場山の溶岩である西側の岩壁が崩れた落石を利用して作られています。開墾が始まったのは明治25(1892)年頃、石積みの高さは高いもので3mもあり、村人の苦労が想像できます。

 また、溶岩壁下部には風穴が点在していて、エゾヒョウタンボクなどの希少な植物が生育しています。年間を通して1~10℃の冷気が吹き出している風穴は、農作業などの休憩場所にも利用されたそうです。ジオ、エコ、カルチャーが融合した素晴らしいスポットです。

結東の石垣田
結東の石垣田
岩壁下の風穴 エゾヒョウタンボク
岩壁下の風穴 エゾヒョウタンボク

■苗場山と伊米神社(日本百名山・花の百名山)

 苗場山は、約30万年前に形成された成層火山で4回の活動期がありました。平坦な山頂は第Ⅳ期の溶岩台地で、約700haもの高層湿原が広がっています。山頂がこのように平坦な山は日本では珍しく、そこには無数の池塘が点在しています。

 この池塘は田んぼのように見えることから「神の苗代田」と呼ばれ、山頂には平安時代の延喜式(えんぎしき)神社である「伊米神社」が建立されました。農耕の神様として祀られ、参拝登山されてきた歴史があります。

 前倉トドの展望台からは、鯨の背のような苗場山と中津川の深い渓谷、そこに抱かれるように佇む大赤沢集落などを一望することができます。

前倉トド展望台から苗場山の眺望
前倉トド展望台から苗場山の眺望
平坦な苗場山山頂 初夏には高山植物が一斉に花を咲かせる
平坦な苗場山山頂 初夏には高山植物が一斉に花を咲かせる
アクセス情報津南町役場より小赤沢登山道三合目駐車場まで車で60分+山頂まで徒歩約3時間30分
前倉トド展望台:津南町役場より車で30分

■布岩山

 中津川の左岸、屋敷集落の北側に、長い布を何枚も垂らしたように見える布岩山(布岩)があります。この布岩山は、鳥甲山の火山活動によって形成されました。

 長い布のように見えるのは大きな柱状節理のためで、その幅は1.5m以上もあり真下からの眺めは圧巻です。よく観察すると、大きな柱状節理のほかに、細かなものや横に発達した節理も見ることができます。これは、溶岩が流れた方向や冷えて固まる時間に違いがあると考えられます。

 紅葉の季節には、そびえ立つ岩壁に赤や黄色の木々が色をそえ、絶好のシャッタースポットになります。

布岩山遠景
布岩山遠景
真下からの眺めは圧巻 柱状節理の断面
真下からの眺めは圧巻 柱状節理の断面
アクセス情報津南町役場より車で約50分

■鳥甲山

 鳥甲山は、標高2,038m、秋山郷のシンボルの1つとして険しい姿で堂々とそびえ立っています。この火山は、約80万年前に3回の活動期がありました。その後の長い間に風雨や雪崩、地震によって削られ、もとの火山の地形は残っていません。津南・十日町盆地の地層にはこの火山に由来する噴出物が挟まれています。

 古くは赤倉山(赤い岩壁を持つ山)と呼ばれ、江戸時代、鈴木牧之も『秋山記行』に描いています。そして、「十三万仏山」とも呼んで、信仰の対象とされていました。

 白倉山―剃刀岩(かみそりいわ)―鳥甲山―赤倉山―布岩山の連山を含んで「鳥甲火山」と総称します。

雪化粧をしても荒々しい鳥甲連山
雪化粧をしても荒々しい鳥甲連山
白倉山周辺は岩肌が目立つ 赤倉山周辺は地震や雪崩で崩落し赤い地層が見える
白倉山周辺は岩肌が目立つ 赤倉山周辺は地震や雪崩で崩落し
赤い地層が見える
アクセス情報(ビューポイント・のよさの里まで)津南町役場より車で約60分

■石器として利用された岩の露頭

 約100万年前に噴火した毛無山の溶岩は、広く分布し、苗場山麓では志久見川の沿岸で露頭として確認することができます。その溶岩の中には、無斑晶ガラス質安山岩と呼ばれる黒く光る岩石が含まれています。この岩石は、加工しやすく刃物として使用するのに適していたので、旧石器時代や縄文時代の人々は加工して槍や矢じり、斧などを作って使っていました。

 栄村の横倉遺跡から発見された石槍は、棒の先に取り付けて狩りに利用していたと考えられます。

 ほかにも、津南町の加用中条A遺跡や本ノ木遺跡からもこの岩石で作られた石器が見つかっています。

無斑晶ガラス質安山岩の露頭 横倉遺跡から出土した石槍
無斑晶ガラス質安山岩の露頭 横倉遺跡から出土した石槍
アクセス情報津南町役場より車で約40分

拠点施設

■農と縄文の体験実習館なじょもん

津南町にある新しい形の博物館です。季節ごとの企画展示や「縄文」「農業・食」「民俗」「自然」「クラフト」などの子どもも大人も楽しめる体験実習を数多く行っています。敷地内には、ブナ林や沖ノ原遺跡を復元した縄文ムラもあり、館内では本物の縄文土器を触ることができます。ジオパークのコーナーでは、立体地形模型や写真を見ながら、ジオサイトなどの情報を確認することができます。

〒949-8201 新潟県中魚沼郡津南町大字下船渡乙835

TEL 025-765-5511 FAX 025-765-5511

■E-mail 

■ウェブサイト 苗場山麓ジオパーク

農と縄文の体験実習館なじょもん写真01
   
農と縄文の体験実習館なじょもんク写真02 農と縄文の体験実習館なじょもん写真03

■秋山郷総合センター とねんぼ

秋山郷・小赤沢集落に位置する観光案内施設です。焼畑農業やマタギの民具などが展示されているほか、ジオパークコーナーでは、立体模型で苗場山麓の地形を観察することができます。隣の敷地には、苗場山の里宮である苗場神社があり、毎年6月、山伏によって苗場山・鳥甲山・佐武流山などの山開きが行われます。

〒949-2702 長野県下水内郡栄村大字堺18281

TEL 025-767-2202 FAX 025-767-2276

■ウェブサイト 栄村秋山郷観光協会

秋山郷総合センター とねんぼ写真01
   
秋山郷総合センター とねんぼ写真02 秋山郷総合センター とねんぼ写真03

基本情報

ジオパーク名:苗場山麓ジオパーク

ジオパーク名(英語表記):Naeba-Sanroku Geopark

団体名:苗場山麓ジオパーク振興協議会

代表者名:会長 上村 憲司

構成自治体名:新潟県津南町、長野県栄村

お問合せ先

■苗場山麓ジオパーク振興協議会事務局(ジオパーク推進室)

〒949-8201 新潟県中魚沼郡津南町大字下船渡乙835

TEL 025-765-1600 FAX 025-765-5511

■E-mail 

■ウェブサイト 苗場山麓ジオパーク


ガイド情報

■苗場山麓ジオパーク ガイドの会

苗場山麓ジオパークでは、ガイド養成講座・ガイド認定試験を経た地元ガイドが皆様をお待ちしております。苗場山麓の雄大な大地の履歴や美しい風景、その背景には、成り立ちやそこに息づく動植物、そしてここに暮らしつづけてきた人の歴史文化があります。そのすばらしさを地元ガイドが地元の言葉で伝えたい。さらなる知識や感動を持ち帰っていただきたい。そんなふうに願っています。ぜひガイドと一緒に苗場山麓を巡ってみませんか。

■ガイド依頼受付 津南町観光協会

TEL 025-765-5585

苗場山麓ジオパーク ガイドの会写真01 苗場山麓ジオパーク ガイドの会写真02